しばらく台湾に滞在していたのだが、
その間に幾度かあった勸世美少女娃娃(世直し美少女人形)のライヴに、
スケジュールの都合で、一度も行けなかったのは残念。
彼女のFacebookによると、8月18日のライヴでは、
「長崎蝴蝶姑娘(長崎の蝶々さん)」や「安平追想曲」なども歌ったらしく、
これらの懐メロを、勸世美少女娃娃流にどう料理してくれるのか、
ぜひとも聴いてみたかったのだが……。
幸いにも、その様子をYoutubeで見ることができた。
盗撮っぽく見えるが、歌の合間に勸世美少女娃娃本人が、
「みんな、思いっきり撮ってね~」と言っているから、実に気前がいい。
「長崎蝴蝶姑娘(長崎の蝶々さん)」は、1957年に美空ひばりが創唱した。
作詞・作曲は米川正夫、台湾語版の作詞は荘啓勝。
「蝶々さん」や「長崎」のように、日本語の発音がそのまま使われる箇所もある。
像花的羅曼史(ロマンス)
長崎 長崎 長崎 美麗的都市
花のロマンス
長崎 長崎 長崎 港町
オリジナルの日本語版では、「ロマン~ス~」というフレージングなのだが、
台湾語版になると、母音の方を伸ばして「ロ~マンス~」と歌われる。
このあたり、音韻に関する日本人と台湾人の違いを反映しているようだ。
「安平追想曲」は、1951年に台湾で作られた曲である(作詞:陳達儒、作曲:許石)。
台南の郊外に位置する、安平という港町で本当にあったという、
商家のお嬢さんと、オランダの男性医師の「ロマンス」に取材しており、
ライヴの曲目として、「長崎蝴蝶姑娘(長崎の蝶々さん)」と好一対を成す。