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たまには並んでみた

並ばないと入れない食べ物屋には、
めったに行かない性分なのだが、
休暇を共に過ごした客人と連れ立って、
そういう場所ばかり渡り歩いた。

*  *  *

中でも印象深かったのは、
東京・築地市場の「鮨文」(握り寿司)と、
奈良・東向通の「おかる」(お好み焼)。

*  *  *

「鮨文」では、おまかせのコースを食べたのだが、
ほんの間奏曲のように差し出された、蛍烏賊の軍艦巻に、
店の力量が、最もくっきりと刻印されていたように思う。

蛍烏賊という食材は、多かれ少なかれ、
臭味(として私には認知される風味)を免れ難いゆえ、
口に入れる時に、ついつい身構えてしまうのだけれど、
「鮨文」の軍艦巻は、そんな「烏賊の原罪」を、
完璧にシャットアウトすることに成功しており、、
蛍烏賊の良いところだけが、舌に溢れ出てくる。
その清雅な奔流に、私はただ身を任せていればよかった。

*  *  *

「おかる」のお好み焼は、
蓋を被せて、蒸し焼きにするせいもあってか、
表から芯まで、ふわふわとした食感だ。

もう一つの看板メニューであるらしい、明石焼も味わったが、
お好み焼と明石焼が描き出す、
穏やかな「食感の襲色目」に、大いに魅惑された。

店内には、地元の書家・津山白鳳の揮毫による
「おいしい/おいしい/おかるの/おこのみ」という
横長の額が懸かっていたが、
なるほど、ここのお好み焼は、
全部ひらがなでなければ、その慈味を書き表せまい。

*  *  *

京都・堺町通の「イノダコーヒ」には、
ずいぶん久しぶりに、足を運んだ。
私は、珈琲に酸味よりも苦味を求める質なので、
定番とされる「アラビアの真珠」ではなく、
「ジャーマン」の方が好みに合う。

ここのケーキやパフェは、
クリームの甘さの、抑え加減が絶妙であって、
それ自体としても美味だし、珈琲という主役を邪魔しない。

店で飲むのと同じ風味を、
自宅では再現できっこないと、重々承知しながらも、
帰りがけに豆を買い求めた。

*  *  *

東京・駒込の「アルプス」では、
アイスクリームかと錯覚するほど、しっかり冷やされた、
チーズケーキ系の菓子「リゼット」に、好感が持てた。

但し、惜しむべきことに、
珈琲の役回りが、しっかり計算されていないと言うべきか。
一個の飲み物と見なすには、存在感が平凡だし、
菓子の引き立て役と見なすにしても、しっくり来ないようだ。

「人気店の傲り」と決めつけたくはないが、
店員の態度が、どうも宜しくないことや、
禁煙区画が小さすぎて、なかなか入れない上に、
中二階というより、階段の踊り場と表現した方が良さそうな、
冷遇的な場所をあてがわれていることも、
私には、不満であった。

あくまで洋菓子屋の附属喫茶室だと割り切って、
持ち帰っても型崩れしないものを、
テイクアウトするのが、賢明な付き合い方だろう。
菓子が上質であることに、異議はないのだから。

*  *  *

ごちそうさま。

立夏ですなあ。

# by nazohiko | 2007-05-06 21:50
by nazohiko | 2007-05-06 21:50 | ☆旧ブログより論考・批評等
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