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君よ知るや「浅草豆花大王」(2)

しばらく前に書いた、「君よ知るや『浅草豆花大王』」という文の続き。

秋らしくなった頃合を見計らって、
今度は「焼仙草」という台湾の甘味を食べに行ってきた。
「仙草」というのは、もともと紫蘇科に属する植物の名前で、
台湾では、北西部の新竹県関西鎮(客家人の住む地域)が主要な産地だ。
その葉や茎から煮出した汁に、とろみと苦み(やや珈琲に似る)がある。

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夏は冷たいゼリーに作り(固さを確保するために澱粉などを足す)、
シロップをかけた「仙草凍」として食べ、
冬は葛湯状の甘いスープにして、豆や団子などを加えたものを啜る。
これが「焼仙草」であり、ここでいう「焼」は「熱い」というほどの意味。
近年の台湾では、仙草を用いたペットボトル飲料もコンビニでよく見かける。

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仙草は、所謂スイーツのために用いられるだけでなく、
干したものを、「仙草乾」と呼んで薬膳の材料にするし、
もっと簡便な利用法としては、
葉を熱湯で煎じただけの健康飲料「仙草茶」があり、ティーバッグも売られている。

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薬膳や健康飲料の材料とする場合には、夏季の健康増進が主な目的になるのだが、
他の時季に口にするにも一応適当なものとされ、
現に焼仙草は、秋冬の台湾において定番のホット・デザートとなっている。

「浅草豆花大王」で私は、メニューに載ったばかりだという焼仙草に、
具として、湯圓(白玉団子)、地瓜圓(薩摩芋の団子)、粉圓(黒いタピオカ)を選んだ。
写真の下方に、白くわだかまったものが見えるのは、
凝固の度合を高めるために加えた、植物性の成分が泡立っているのである。

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ちなみに、豆花も美味しかった。
具は、落花生(煮たもの)、薏仁(鳩麦)、小豆の3種である。
この店では豆や穀物を固めに煮る流儀のようだが、特に小豆の食感が気に入った。

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店の名前にもなっている「豆花」を、本場の水準で味わえる店として、
「浅草豆花大王」が貴重な場であることは、(幸か不幸か)今なお変わらぬ状況だが、
更に焼仙草まで、きちんとした形で出してくれる店となると、
いよいよ珍しいと言わざるを得ず、
そうであるからには、応援と直言を申し上げずにいられない。

焼仙草の温度が、私にはぬるすぎるように思われたが、
それは、この店のやりかたとして受け入れておくとしても、
3種類の具が、噛むと冷たさを覚えるほどの温度であったのは興醒めである。

台湾で食べる焼仙草は、熱々の状態で供されるので、
具をあらかじめ加熱していなくても、口に入れる時分には十分温まっているものだ。
ぬるめの温度で焼仙草を出すのが、店のこだわりであるならば、
具をいったん湯通ししてから、焼仙草と混ぜるくらいの心遣いを見せてほしい。

日本における台湾スイーツ店の風雲児として、
細かいところに気を抜かずに、これからも道なき道を邁進してくれることを望む。

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by nazohiko | 2016-11-04 15:01 | ◇見聞を誌す
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