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ミューズの神を率いるアポロ

風邪の治りかけで、いつもと体調が違うせいか、
ストラヴィンスキーの「ミューズの神を率いるアポロ」を、
無性に聴きたくなってきて、
普段なら曲名すら思い出しもしない、そのCDを引っ張り出した。

絃楽合奏のために作曲された、半時間ほどのバレエ音楽である。
演奏は、マルケヴィッチの指揮するロンドン交響楽団。
5年ほど前に買い求めたが、何も感じるもののないまま、
とりあえず最後まで聴いて、それでおしまいにしていたのだが……。

表面的には、如何にも「そっけない」音楽でありながら、
その体幹に、何と豊かな「うたごころ」を蔵していたことか!

声楽的と表現してもよいような、旋律線や旋律的断片が、
曲の随所に見え隠れすることだけを言うのではない。
リズムや和声が刻々と動いてゆく様子まで含めて、
私の非音楽的な語彙力を以てしては、
「うたごころ」という渾然とした一言でしか、表せないものが、
この曲に満ち満ちていることに、初めて気付いたのだった。

風邪が治りきったら、忘れてしまう感覚なのかもしれないけど。

  硝子屑硝子に還る火の中に一しづくストラヴィンスキーの血  (塚本邦雄)

# by nazohiko | 2007-06-05 00:26
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by nazohiko | 2007-06-05 00:26 | ☆旧ブログより論考・批評等
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