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アリゴーニ氏に猛省を促す一方で……

モーツァルトの交響曲全集が、CD10枚組で1700円!

かつてスタンダールが指摘したように、
モーツァルトの音楽には、
厳しさと激しさに裏打ちされたものが、実は多くて、
特に交響曲は、本気で聴くと結構疲労させられる。

のんびりと聴き流すため「だけ」の全集があれば、
1つは持っておきたいものだと、かねがね待望していた。
良い意味で「あくまでB級」なCDを……。

アレッサンドロ・アリゴーニ指揮、
イタリア・フィルハーモニー・オーケストラ。
まるで聞いたことのない名前だが、
「イタリア人の演奏するモーツァルト」への曖昧な期待から、
合計46の曲目から成る、この全集を買い求めた。

正規に販売されているCDとしては、廉価すぎることや、
ホルン奏者を、他の曲よりも多く要するためだろうか、
「交響曲第32番」が収録されていないことが、
演奏水準を予想する上で、不安材料になったが、
いざ聴いてみると……。

彼らの演奏スタイルは、
典型的な「20世紀の室内管絃楽団によるモーツァルト」で、
今となっては苦笑を禁じ得ないところもあるが、
聴き流すための演奏としては、
むしろこれくらい「楽天的な時代遅れ」な方がありがたい。
チェロとコントラバスが、
元気いっぱいに存在感を示すのも、耳に快い。

しかし、である。
何と安心して聴けない合奏ぶりであることか。
フルート同士、ホルン同士で作られる和音は汚く、
これでは和音というより、ほとんどホワイトノイズである。
高音絃楽器も問題であって、
縦方向にも横方向にもブレが目立ちすぎる。
木管楽器の場合と同じように、和音が耳障りだし、
八分音符で伴奏を刻む時には、リズムの流れが怪しくなる。

そもそも、「全集」と銘打ったCDを出すというのは、
演奏家にとって、一世一代の大事であるはずだ。
こんなお粗末な演奏を、
「全集」の名のもとに、売り出してよいのだろうか。
アリゴーニ氏には、猛省を促したくなった一方で、
「お手軽に聴けるモーツァルト交響曲全集」という
矛盾的な代物を求めていた、私自身にも、
反省が求められるべきであろうことに気付いた。

とりあえず最初の1枚を聴き終えて、
私は、ベーム盤やホグウッド盤を聴いた後とは別の意味で、
ずいぶんと疲れてしまったのだが、
モーツァルトの交響曲を聴いて、どのみち疲れるのなら、
しっかりした名演を、しっかり聴き込んで疲れたい……というのが、
今回の結論である。

「しっかりした名演」という言葉には、
「演奏技術の堅実な演奏」という意味と、
「芸術的表現力に優れた演奏」という意味を、共に込めてある。
ある程度まで、技術水準の高い演奏であれば、
「聴き手を疲れさせる音楽」としての、
モーツァルトの交響曲の薬効成分は、
おのずから立ち上がってくるだろうという、
希望的観測に立脚して、
あえて「名演」の一語で括った次第である。

# by nazohiko | 2007-05-09 00:31
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by nazohiko | 2007-05-09 00:31 | ☆旧ブログより論考・批評等
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