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柿の葉寿司

熟鮨(なれずし)、押鮨(おしずし)、握鮨(にぎりずし)の内で、
私は、押鮨が飛び抜けて好きである。
木型に入れて押し固めるのが一般的なので、箱鮨とも呼ばれる。

具や酢飯が高密度に詰まっているのが、食感上の特徴だが、
あらかじめ酢ベースの調味液に漬けたり(鯖や鱒など)、
甘辛く煮たり(穴子など)した具を使うことが多いのも、
忘れてはいけない、味覚上の特徴である。
つまり、醤油を付けずに食べても物足りなくない。
酢飯を二段構造にして、干瓢などの薄い層を挟むこともある。

押鮨の面白さは、全国各地に個性的な伝統鮨があることで、
少なくとも外形的には、握鮨よりも遥かにヴァリエーションがある。
私の中で「ベスト・オヴ・押鮨」の座を保ち続けているのは、
桜で有名な吉野(奈良県)から、和歌山県の北部にかけて、
一続きの山林地帯で作られてきた「柿の葉寿司」である。
海から遠い地方でありながら、押鮨が盛んに作られてきたのだ。

山里まで運ばれてきた塩鯖を、酢飯と一緒に柿の葉で包む。
山林地帯なのだから、柿の葉ならば幾らでも手に入る。
包み終わったものを木枠に入れて、一晩から三晩ほど押し固めると、
直方体の姿をした「柿の葉寿司」が出来上がるのである。
柿の葉に含まれる殺菌効果を利用しながら、軽く熟成させるので、
熟鮨(和歌山県は熟鮨の名産地でもある)の性格も帯びている。
柿の葉に包んだまま売られるので、芳香だけでなく保存性も良い。

近年では、鮭や鯛や鯵を使った「柿の葉寿司」も見かけるが、
食感も風味も淡白な鯛は、具材として決定的にミス・チョイスだ。
柿の葉の発する香りに、まるで拮抗できないのである。
やはり鯖が永遠の古典であって、鮭がそれに次ぐといったところ。

「柿の葉寿司」は、寿司屋で食べるものではなく、
大きな鮨問屋が売っているものを、テイクアウトする。
奈良の「平宗」と「いざさ(中谷本舗)」が、大手として知られるが、
東京には「いざさ」の支店しかなく、「平宗」の鮨が食べられない。
幾らか当世風にアレンジされた「いざさ」の鮨よりも、
武骨な味わいが頼もしい「平宗」に、私は軍配を上げるのだ……。

「平宗」のホームページによると、全国どこでも配送できるそうだが、
食べたいと思い立った時に、手に入らないのではつまらない。
既にお気付きかもしれないが、私は筋金入りのワガママなのである。# by nazohiko | 2007-02-13 00:17
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by nazohiko | 2007-02-13 00:17 | ☆旧ブログより論考・批評等
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