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吉野秀雄の『寒蝉集』(2)

私の裡にたゆたう、曖昧だが豊麗な吉野秀雄像に、
幾つかの無造作な言葉を、当てはめようとすることによって、
味気なく矮小化してしまう愚行を、あえて犯すならば、
例えば「ナルシシズムすれすれのロマンティシズム」が、
この歌集に収められた数々の挽歌に、吹き込まれており、
それが読者に、陶酔的な昂揚をもたらすのである。
挽歌というジャンルの性格上、
マゾヒスティックの要素を、幾らか帯びた陶酔なのだが。

一首一首における、修辞の技巧や、
歌集全体の構成といった、様々のレヴェルまで含めて、
吉野秀雄を「挽歌のエンターテイナー」と呼んでも、冒涜になるまい。
挽歌をエンターテインメントの域に堕落させたり、
すり替えたりしたという意味ではなくて、
一級の挽歌でありつつ、一級のエンタメでもあるような作品が、
『寒蝉集』には、満ち満ちているのである。
そんな挽歌を実現できた歌人は、
近代の歌人では、他に「死にたまふ母」の斎藤茂吉くらいだろうか。

※続く

# by nazohiko | 2007-02-01 00:51
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by nazohiko | 2007-02-01 00:51 | ☆旧ブログより論考・批評等
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