フィギュアスケートの試合を、テレビで観た。
グランプリ・ファイナルという大会の、
第一日の模様だそうである。
トリノ・オリンピックで見かけて以来、
わが熱愛する「女子プロレス系フィギュアスケーター」
ミラ・リュンが呼ばれていないのは残念だったが、
それなりに楽しめる試合だった。
フィギュアスケートを、
平素から観ているわけではないので、
何をどうすれば得点に繋がるのか、
解説のアナウンスを聞いても、ピンと来ないのだが、
浅田真央が一位で、安藤美姫が二位だったのは、
私なりの基準でも、納得することができた。
安藤美姫の身体が描く線は、
十分に流麗ではあるのだが、
しかし、よく目を凝らしてみると、
針のように短い直線を、無数に繋げてゆくことで、
一本の曲線に近似したものを、私たちの目に見せるようだ。
いわば、デジタルな出力波形としての舞。
それに対して、
浅田真央は、手指の先から足の爪先まで、
ほんの僅かな角(かど)をも感じさせない。
シームレスな一本の曲線として、
どこまでもしなやかに立ち現れる。
いわば、アナログな波形を描く舞なのだ。
より高い技量を要するのは、こちらだろう。# by nazohiko | 2006-12-17 00:22