by 謎彦 by なぞひこ
by Nazohiko


もがも!

・君がゆく道の長手を繰りたたね焼き滅ぼさむ天の火もがも

高校の授業で使っていた古典文法の教科書の中に、終助詞「もがも」の用例として、この歌が載っているのが目に入った時、私は恐ろしさのあまり体温が下がりそうになった。

オカルト映画じみた「もがも」の音韻が、この歌の最凶の武器であることは論を俟たないが、教科書では、まさにその「もがも」が太字で印刷されていたのだ。そして、「万葉集・三七二四」とのみ出典が示されており、誰がどんな状況下で作った歌なのかを知らされなかった故に、怖さはいよいよ増したのである。

「狭野弟上娘子」という作者の名前や、流刑になった夫を思う歌であるというタネアカシを得て、ちょっとは怖くなくなった。# by nazohiko | 2006-09-21 19:15
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by nazohiko | 2006-09-21 19:15 | ☆旧ブログより論考・批評等
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