by 謎彦 by なぞひこ
by Nazohiko


がんばれ「リング」初演!

伝え聞くところでは、台湾の国家交響楽団が、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」(通称「リング」)の全曲上演に挑んでいる。創立20周年を記念した、あちらでは初めての通し公演だそうで、昨晩「序夜:ラインの黄金」によって幕を開けたばかりだ。

指揮をする簡文彬(チェン・ウェンピン)は、かつてバーンスタインに学んだ人で、札幌のパシフィック・ミュージック・フェスティヴァルに参加したこともある。台湾の若手指揮者No.1として、長く国家交響楽団(旧称:国家音楽庁交響楽団)を率いてきた。日本では無名かもしれないが、私の好きな指揮者であり、これまで幾度か生演奏を聴きにいったものだ。師匠に似ず(?)スマートでクリアな音楽を、しかし師匠譲りの暖かい音色で作り出す人である。

若干の舞台演出を加えただけの、コンサート形式による公演であること、ローゲとジークムント、フリッカとエルダの役を、それぞれ同じ歌手が担当すること(!)等々、なかなか不如意な状況下での「リング」初演になってしまったようだが、それだけに簡文彬を初めとする初演チームには、遠くからエールを送りたくなる。

インターネットの某所に、昨晩の演奏がちょっとだけアップされているのを聴いたが、金管楽器が12回も繰り返す幕切れのファンファーレを、しなるような律動として表現しているのが印象的だった。ありがちな威圧的吹奏よりも、却って「非情に回り続ける運命の歯車」を彷彿させるようで迫力があると思ったし、何よりも耳に心地よい響きであった。

がんばれ!# by nazohiko | 2006-09-16 13:08
[PR]
by nazohiko | 2006-09-16 13:08 | ☆旧ブログより論考・批評等
<< 藤原三大テノール(3) 機内でワーグナー(6) >>