by 謎彦 by なぞひこ
by Nazohiko


ワルツは腰で踊れ

もうしばらく、ウィーン・フィルの新年演奏会の話をしよう。

1993年以来、これまでに4度も指揮棒を託されていながら、リッカルド・ムーティのウィンナ・ワルツ演奏が取り沙汰されることは、あまりないようだ。中低音の楽器に音楽をグイグイ引っ張らせて、いわば「腰で踊るワルツ」を作り上げたムーティを、私は忘れがたい一人に数え入れたいのだが。

新年演奏会の定番曲「美しく青きドナウ」を初めとして、ヨハン・シュトラウスの作品には、ヴァイオリンなどの奏する主旋律を、チェロが低い音域で一緒に弾いていることが多々ある。こういう場面で、ムーティ流の「腰で踊るワルツ」は、最も本領を発揮するのだ。

ムーティに流れる「ラテンの血」が、異形のウィンナ・ワルツを響かせたというよりも、シュトラウスの作品自体が、音楽の推進力を「腰」に求める傾向を持っていることに、ムーティが呼応したと見なすべきだろう。

そして、ウィーン・フィルには比類無きチェロパートがあって……。# by nazohiko | 2006-09-04 08:55
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by nazohiko | 2006-09-04 08:55 | ☆旧ブログより論考・批評等
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