by 謎彦 by なぞひこ
by Nazohiko


けふは閏7月19日なり(1)

所謂「旧暦」で言えば、閏7月19日になったところである。

なぜ、こんな位置に閏月が入るのか。「閏月」というのは、いったい何のことか。

「旧暦」と呼ばれるものにもヴァリエーションがあるが、いずれも太陰暦の一種である。太陰暦というのは、月(moon)が満ち欠けするサイクルを「1ヶ月」とし、その12倍を「1年」とする暦法である。

月は、約29.5日ごとに満ち欠けを繰り返すので、それを12倍すると約354日となり、この長さを「1年」とすると、地球が公転するサイクルよりも、約11日だけ短くなってしまう。因みに、「1ヶ月」の長さを29.5日とすると、日常生活に不便をきたすため、東アジアの太陰暦では、30日から成る「大の月(month)」と、29日から成る「小の月」を、「1年」の中に6つずつ設けるのが一般的だった。

このように「地球と月(moon)の関係」にばかりのみ注目して、「1年」の長さを決めてしまうと、暦の循環と季節の循環が、毎年約11日ずつ齟齬してゆくことになる。季節の変化は、「地球と月の関係」ではなく、「地球と太陽の関係」に左右されるものだからである。

暦というものは、そもそも農耕や遊牧のスケジュールを立てるために発明されたらしい。故に、季節の循環を精確に反映しないような暦は、暦として使い物にならなかった。そこで、「地球と太陽の関係」にも配慮することによって、暦の循環が季節の循環とシンクロするように、調整が試みられることになった(「1年=12ヶ月」という枠組が作られた時点で、季節の循環が、粗雑ながらも意識されていたと察せられるが)。

つまり、「1ヶ月=月が満ち欠けするサイクル」という基本路線は守りながらも、「1年」の定義を「地球が太陽の周りを巡るサイクル」に書き改めたのである。このようなタイプの太陰暦を、太陰太陽暦という。太陽暦の一種かと誤認されやすい術語だが、太陰暦の一種なので要注意だ。

※続く

# by nazohiko | 2006-09-11 00:28
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by nazohiko | 2006-09-11 00:28 | ☆旧ブログより歳時の話題
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